
漢数字刻印(小)
由良要塞成山第一砲台・第二砲台の遺構から検出されている小型の漢数字刻印。旭商社の識別印と推定している漢数字刻印より2回りほど小さく、数字単位「10」を「十」と書くところも旭商社印と異なる特徴である(左カラム刻印アイコン参照)。どちらも同じ会社のものである可能性もあるが、念のため異なるカテゴリーに分類しておく。
この成山砲台の漢数字印は愛知県西尾士族生産所の製品に打刻された漢数字識別印とサイズ感がよく似ている。また成山第二砲台で採取した”十”の焼き目・焼き色は関西圏では稀なもので、むしろ愛知県三河地方でよく見られるものである(c.f. 刈谷旧市街焼損煉瓦)。鉄道建設や砲台建設など局所的な需要に同社製品が流入していたのかも知れない。