”三重丸+×”刻印

泉南地域や和歌山県下に分布する刻印。現時点の検出北限は大阪府泉佐野市春日町近辺、南限は和歌山県由良町で、泉南市尾崎町、樽井町、鳴滝辺に分布の重心がある。特に泉南市鳴滝ではこの刻印の入った焼損煉瓦を築き込んだ壁が複数箇所あり、鳴滝にあった煉瓦工場が使用した刻印である可能性が高い。阪南市尾崎町では210mm×100mm×60mmというJIS(JES)サイズの刻印煉瓦も検出されている。

鳴滝で戦後も煉瓦を製造をしたのは三和煉瓦製造所だが、同工場ではこの刻印を使わなかったという(鳴滝では無刻印の焼損煉瓦も多く見る)。とするとJES規格ができ官公庁納入用煉瓦にこの規格が適用された大正14年以降に操業していた会社が該当すると考えられ、紀泉煉瓦(株)がその候補となる。この会社は大正12年頃から昭和初期にかけて和歌山市に販売出張所?を置いていたから、この刻印が和歌山県下でも検出されていることとも対応しそうである。


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