木津川橋梁井筒瓦礫には旭商社の識別符丁印とみられるカナ印を最も多く検出し、扇形”イ”、”ニ”、撥形”ロ”、”へ”、”ト”、”カ”、”ン(ソ?)”等が確認できた。扇形”イ”、”ニ”は同一形状で、形状指示の印でないことが明らか。撥形”ロ“は形状が同じこともあり夢前川橋梁のものと同一物に見えてしまうが、採刻して比較すると違う印であることがわかる(夢前川橋梁の建設の頃;M24前後には漢数字を識別符丁にしていた。”ロ”は形状指示印である)。とはいえ書体の感じや印の大きさはよく似ており、他所で採取したカナ印の書体とも共通点がある。深山第一砲台に漢数字印とカナ印が混在していることから、その建設の頃(M25.7.30~M30.9.30)に識別符丁のサブセットを漢数字からカナに変更したものと推定していたが、M29.3供用開始の木津川橋梁にカナ印が見られることはその想像を支持する。
旭商社 肉厚扇形・撥形異形煉瓦@奈良鉄道木津川橋梁
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