形状指示”ハ” on 肉厚扇形異形煉瓦@水無瀬川橋梁井筒


大阪方橋台の向かって左の井筒の頭、肉厚扇形異形煉瓦に打刻された”ハ”で、該煉瓦は12ft円形井筒の”A”の位置に使用されている。同じ12ft円形井筒の桂川橋梁では4種類の異形煉瓦が使用されていたこと、および9ft井筒の太田川橋梁の例を考えると、”イ”~”ニ”が12ft用、”ホ”~“チ”(あるいは”ト“までの3種類)が9ft用井筒の異形煉瓦を指示する記号として用いられていたものとみられる。同じ京都大阪間鉄道工事でも桂川橋梁とそれ以外で形状指示の仕方が異なっていたこと、およびその指示がM27~29の複線化の頃まで生きていたこと---複線化以前に東海道線・湖東線工事が行なわれ”エー“~”デー”の形状が半ば標準化されていたにも関わらず---が知れて興味深い。

水無瀬川橋梁は大阪方橋台の向かって右の井筒だけ2-1/4インチ厚の異形煉瓦が使われており(下写真)、これがオリジナルの井筒であると考えられる(現在は明治42年製の支間長19m〔=62.4ft〕のPG桁が1スパンで架かっている。明治25年時点では支間長36ftの桁2本:橋長76ftであったので、オリジナルより10ftほど短くなっている計算になる。大阪方橋台を残し京都方をセットフォワードする形で作り直し、かつ複線化を実施したものとみられる)。

http://bdb.kyudou.org/?p=11582

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