石部トンネル坑口直下の暗渠に検出(『鉄道線路各種建造物明細録』掲載・124哩139呎21鎖の無名暗渠。スパン3ft)。厚70mm前後の肉厚煉瓦で単線開業時の構造物とみられる。江尻or金谷の専属工場の製品か。
ただしこの暗渠は中央付近に明白な継ぎ足しが見られ、該区間は山側に拡幅されているので、刻印を検出した残存部分は複線化線の構造物である可能性もある。その一方で継ぎ目は隧道坑口真正面の位置にあり、新旧どちらにかかるとも断定し難いところがある。
煉瓦の焼色、質については初代石部トンネル巻立てや金谷の無名暗渠に使用されているものとよく似ている。ただし金谷の無名暗渠にあるY線はこの無名暗渠では見られない。