初代の9ft円形井筒に使用されている撥形異形には”イー”と漢数字添印を押したものが多く見られる。長音記号を長く引くのは木曽三川の異形煉瓦によく似ているが、添印は□+漢字ではなく漢数字になっている。製造時期の違いによるものか(第一浜名橋梁:M20.12.、揖斐川橋梁:M19.12.)。
木曽三川の形状指示よりもむしろ勢陽組カナ印の形状指示が近い。勢陽組も鉄道省へ納入の実績がある。ただし工場跡や近傍では”イー”を検出していない。絶対数が少なかったためか。
白斑を含む煉瓦胎土、長手縁に筋が見られるのも三川橋梁や勢陽組の異形煉瓦に似ている。上写真は筋のある平に内部の白斑が露出している。