出典『[鉄道作業局]規程類聚. 明治三十四年九月現行』
明治29年8月31日鉄工第1749号(課長達)で12ft円形井筒・9ft円形井筒・小楕円形井筒に使用する異形煉瓦の形状を示す。配置図は遅れて明治30年4月22日鉄工第755号(部長達)で。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/796878/151
その付図
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/796879/115
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/796879/131
12ft/9ft円形井筒は外から扇-撥-撥と積む段と撥-撥-扇を積む段を交互に繰り返す。外側の扇は内側の扇よりも大きい(12ft外扇:”A”>12ft内扇=9ft外扇:”C”>9ft内扇”D”)。小楕円形井筒は外から甲-乙-丙-丁(扇-撥-撥-扇)段と乙-乙-丙(撥-撥-撥)を交互に積む。
明治9年大阪-京都間鉄道の建設時には4種類の異形煉瓦で12ft円形井筒を築いていた。明治18年頃から始まった東海道線工事ではM29規格とほぼ同じ形状・名称で異形煉瓦が製造されている(この時の経験をもとにM29規格を制定)。小楕円形井筒については採用例が少ないが、浜名湖第一橋梁のように外側2枚を石で置き換えることもあったようである。