異形煉瓦

直方体ならざる煉瓦。総じて「役物」とも呼ばれる。形状によって様々な呼び名があるが、ここでは基本的に以下を使う。

撥型・楔型

小口の一方の幅が狭い。円形橋脚・煙突などに使用。

扇型

両長手が湾曲。扇の紙の形。円形橋脚・煙突などに使用。

角丸

小口−長手角が丸く仕上げられたもの。構造物の角を丸く仕上げるために使用。街なかで見られるものは多くが「へっついさん」で使われていたものと思われる。

迫型

長手もしくは小口の一方が薄い。径の小さなアーチを築くのに使用。

(片流れ型)

アーチの起拱石に使われたと思われる、平の一方が傾いた異形煉瓦。正式名称がわからないので仮に片流れ型と表記。

敷瓦

正方形の板状の煉瓦。タイル状に敷いて使用。

孔開き煉瓦

平に多数の穿孔を施し重量を軽減したもの。軽量煉瓦の一種。

空洞煉瓦

「日」の字あるいは「目」の字状に空隙を設けた煉瓦。大阪窯業のホロータイル。

その他

和歌山県湯浅町で見られる壁積み用の異形煉瓦は、煉瓦二個分ほどの大きさがあり、凹凸を組み合わせて一枚巻の壁体に積むことに特化したものと思われる。

飾り積みのための役物煉瓦。

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