M30頃/大阪府下煉瓦製造業組合規約 〈〉は割注. 大阪府下煉瓦製造業組合規約 緒言 一当組合は大阪府下に於ける煉瓦製造業者を以て組織し其規約を定むること左の如し 第一章 組合の業務及名称 第一条 我組合は煉瓦を製造し之を販売するを業務とす 第二条 組合の名称を大阪府下煉瓦製造業組合と称す 第二章 組合の地域及事務所位置 第三条 組合の地域は大阪府下一般を以て区域と定む 第四条 組合の事務所は府下堺市柳ノ町西三丁二十一番屋敷と定む若し変更を要するときは組合会議の決議を以て移転することを得 第五条 組合の地域内必要の箇所に出張所を置く其位置及所員の区分は組合会議の議決に依り之を定め府庁に届出づるものとす 第三章 目的及方法 第六条 組合規約を製するの要旨は各自経営上の利害得失を研究し漸次同業者の発達を企画するを以て目的とし其方法を定むる左の如し 一 組合員は原料を精撰し製品を改良し同業者各自の信用を博取する事 二 製品を大別して焼過上等中等根敷下等の五等とし各等級に応じ相当代償を附する事 三 製品又は原料売買約束に違背し損害を与えたる等の場合は被害者より事務所に申告する事 四 製品上に関し研究を要することあるときは詳細其事項を記載したる書面を以て事務所に推問する事 第七条 組合員の製品に関し不信用を来すべき所為之れなき為め事務所に於て臨時に監査員を撰み組合各工場へ派遣し製品の実験其他製造販売買上に付き質問をなすことあり此場合に於て組合員は製品の実験を拒み又は質問に対して粗畧隠蔽等なきことを務むべきものとす 第四章 職工及徒弟に関する規程 第八条 組合に於て職工と称するは素地職窯焚き職の二種とし徒弟は通称子方と称するものとす 第九条 職工を雇入れんと欲する時は組合に於て定むる所の書式に因り紹介人連署の契約書を領置し其本人の住所氏名年齢及職業を詳記したる届出を組合事務所に差出すべし 但雇人を解雇したるときは本条雇入れのときの例に拠り組合事務所に其旨届出づるものとす 第十条 解雇又は自退の理由にして雇主に害を被らしめたるものは組合一般之を雇使するを0得ず 但悔悟謝罪し旧雇主の承諾を得たるものは此限にあらず 第十一条 職工雇入に就ては左の文例に拠り契約書を領置すべきものとす 被雇契約書 一自分儀今般煉瓦製造業務上素地職(窯焚職)として貴会社(貴殿)方へ被雇候に付ては左の事項を確守す 第一項 被雇期間は当明治何年何月より来る明治何年何月まで満何ヶ年とす 第二項 事業請負賃金は千個に付金何十何銭と定め毎月計算を以て申受くべき事 第三項 徒弟(通称子方)の事業去就に付ては其都度貴会社(貴殿)の認諾を受くべき事 第四項 徒弟同盟罷工致させ間敷は勿論自分に於ても精勤致すべき事 第五項 被雇契約年限中は如何なる事情生ずるとも貴会社(貴殿)の許諾を得ずして自儘休業及他出等決して致す間敷く事 右記載の事項確守履行可致仍て紹介人連署差入申契約書如件 何〈府県〉何国何郡何〈町村〉何番屋敷 被雇人 何ノ誰 明治何年何月何日 何年何月生 何〈府県〉何国何郡何〈町村〉何番屋敷 紹介人 何ノ誰 何会社(何某)殿 第十二条 第十一条の契約書を差入れざるものは何等事故あるも之を雇使するを得ず 第十三条 甲者の職工たるものを乙者に於て雇使せんと欲するときは甲者に照会をなし其承諾を得たる上にあらざれば雇入るることを得ず 但甲者に於て乙者の雇入れを拒むと雖も其意私怨或は偏頗に出づるものと見認むるときは組長は甲者に説諭を加え乙者をして雇使せしむることあるべし 第十四条 職工に於て若し同盟罷工を企つるものあるときは直ちに其ものの住所氏名を記し事務所に申告すべし事務所は之を組合一般に通知し組合員は将来該人を一切雇使せざるものとす 但本人に於て悔悟謝罪の道を立つるときは其旨更に事務所に申告して雇使拒絶を解くの手続をなすべし 第十五条 職工人一致同盟して各其雇主に係り金銭物件の前借を強請する場合は毫も之に応ぜざるものとす 第十六条 職工賃金は製造の盛衰及物価の高低に準じ組合会議の議決により其の標準を定む 第十七条 一人にして被雇契約を重複に為したるものは第一以外の契約は無効とす 第五章 役員選挙及権限 第十八条 組合は左の役員を組合員中より撰挙す 組長 一名 幹事 若干名 第十九条 役員の任期は満二年とす最も満期改撰に際し前任者を再撰することを得 第二十条 役員撰挙は得点多数のものを取り同数なる時は抽籤を以て其当撰者を定む 第二十一条 役員の就職退職は其都度府庁に届出づるものとす 第二十二条 左の項目に触るるものは役員たることを得ず 一 同業を営み満一ヶ年を経ざるもの 但本項満一ヶ年を経ざるものと雖も同業に熟練したるものは此限りにあらず 二 組合規約に違背し違約処分を受け一ヶ年を経ざるもの 第二十三条 役員の職務権限を定むる左の如し 一 組長は組合規約に定むる所に依り組合一般に係る事務を統轄し組合会議並に役員会の議決を執行す 二 組長は組合会議の議決を不当と見認むるときは之を再議に付するを得 但再議に付する場合に於ては其不当と認むる事由を明示すべし 三 組長は第七条の臨時監査員を撰定することを得 四 組長は役員又は書記をして組合員の工場を臨検せしむることを得 五 幹事は常に組長の事務を補翼し組長不在又は事故あるときは其代理をなす 六 幹事は組合に係る都ての会計を掌る 七 幹事は受持部内に係る同業者の奨励を掌る 第二十四条 役員は組合一般の協和を維持し規約の目的を達せしめんことを務む 第二十五条 役員は組合中に違約又は不正の所業をなすものあるを認むる歟又は其旨組合会員中より申告するものあるときは之を事実調査の上第八章第四十六条に定むる範囲内に依り予め其処分の見込を付し役員会議の議決を経て処置するものとす 但違約者又は不正の所業を為したるものより答弁書を差出さしむべし 第二十六条 前条違犯者に答弁書を出すべき旨を通知し其通知の翌日より一週間を過ぐるも答弁書を出さざるときは意見を附し役員会の議決を経るものとす 第二十七条 役員は本業に関する研究を要する事項調査の義組合員中より請求ありたるときは調査の上詳細報告すべし 第二十八条 組長は書記小使等の傭員を任免す 但其給額は役員会の議決に依るものとす 第二十九条 役員は組合に係る諸帳簿を整頓し組合事務所に備え置くものとす 第三十条 役員は無給なりと雖ども官衙其他の場所に出張したるときは旅費を支給す 但旅費支給規定は組合会議の議決を経て之を定む 第三十一条 役員の報酬金は組合会議の議決に因り之を定む 第三十二条 役員交替の節は組合共有の物品及び経費出納の生産を遂げ諸帳簿と共に目録を付し後任者に引続ぐものとす 第六章 会議に関する規程 第三十三条 組合会議は組合一般に係る利害得失を審究議定するものとす 第三十四条 役員会は組長幹事を以て組織す毎月一回之を開く 第三十五条 組合会議は定期臨時の二種に分ち定期会は毎年二回之を開き臨時会は役員の考案又は組合員全数の三分一以上の請求に因り之を開く 第三十六条 会議開会五日前各事項を記し事務所より之を通知し其通知を受けたる組合員は時限を違えず必ず出席すべし若し差支ある場合は最寄同業者に委任すべし 第三十七条 会議は定期臨時の別なく組合員半数以上の出席にあらざれば開会せざるものとす 但同事件に付再応招集するも尚お半数に満ざるときは其出席員に於て之を決す 第三十八条 会議の長は組長之を勤む若し組長欠席する場合は幹事之を勤むるものとす 第三十九条 可否を決するは出席員過半数の同意に依り之を決す可否同数なるときは議長之を定む 第四十条 会議に於て評決せし事件は特に決議録を作り出席員署名捺印するものとす 第四十一条 会議に於て評決せし事件は直ちに事務所より組合一般に報告し組合員は必其決議に従うものとす 第七章 組合経費に関する規程 第四十二条 組合経費は其年〈自一月至六月〉を第一期とし〈自七月至十二月〉を第二期と定め役員会に於て収支予算を設け毎期組合会議の評決を経て之を執行するものとす 第四十三条 組合経費徴収方法を定むる左の如し 一 前期中の製造高に依り組合に等級を定め其期間の経費予算額を等級に割当て組合会議の議決を経て徴収するものとす 二 組合経費毎期負担額を二回に分ち一回分毎に前徴するものとす 第四十四条 新たに加入せしものの負担額を定むるは其期間製造すべき予算数に因り役員会に於て組合等級に組込み其期経費予算議決の歩合を以て其加入の月より起算徴集するものとす 第四十五条 経費決算は前期分を〈一月七月〉定期会に報告し其期間の経費予算議決と共に併せて事務所より組合一般に報告すべきものとす 第八章 違約者処分規程 第四十六条 組合員にして組合規約に違背するものあるときは役員会議の議決を経て左に列記する諸項に拠り処分するものとす 一 説諭の上将来を戒め尚謝罪状を組合事務所に出さしむる事 二 組合内の取引を中止し又は取引止めをなし其旨組合内の各店舗若くは応接所に掲示する事 三 新聞紙に広告する事 第四十七条 役員にして違約の処分を受けたるときは現任の職を失うものとす 第四十八条 違約処分の結了したるときは其顛末を府庁に報告するものとす 第九章 加入者退去者に関する規程 第四十九条 当府下に於て我が同業を営むものは先づ組合に加入することを得この場合には規約を確守するの証として組合を定むる所の帳簿に記名押印すべきものとす 第五十条 組合員は相当の手続を経たる歟若くは廃業するの場合にあらざれば組合を退去するを得ず 第五十一条 開廃業者の氏名は毎月(前月分)事務所より組合一般に通報するものとす 第十章 雑則 第五十二条 毎期の収支予算及決算並に事蹟は府庁に報告するものとす 第五十三条 組合事務所より召喚又は通達あるときは速かに之に応諾すべし若し応諾し能わざるときは其旨直ちに事務所に申出づべきものとす 第五十四条 組合事務所より召喚三ヶ度に及ぶも尚出頭せざるときは組長は直ちに違約者と見做し第八章第四十六条違約処分の規程により其処分をなすものとす 第五十五条 組合規約の変更又は増削を要する場合は組合会議の議決を経て府庁の認可を得たる上実行するものとす 第五十六条 組合員は支店又は分工場の設廃を其都度事務所に届出づるものとす 右条項確守すべきを誓約し斯に署名押印するものなり 大阪府下煉瓦製造業組合の認可はM33.2.1。 投稿ナビゲーション M33.2.1/大阪府告示第二十二号(大阪府煉化石同業組合設置)大阪毎日新聞 M34.11.10/堺周報 工業門 (堺市煉瓦の盛衰) コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※ 名前 メール サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ