
□+漢数字(岸和田煉瓦識別印?)
深山第一砲台の隧道形通路天井に検出。高さ約2cm、幅約1.5cmで、太い漢数字を内包する。漢数字は一、二、十を確認。枠の大きさは木津川橋梁橋脚遺構で検出した〝明賀〟印によく似ており、煉瓦の使用状況も共通点がある(深山第一砲台では旭商社の識別印とみられる〝カナ〟印・〝漢数字〟印を多く見る。木津川橋梁でも〝カナ〟印多数。深山第一砲台はM25.7.10着工、M30.9.30竣工/木津川橋梁M29.4.18供用開始)。
木津川橋梁の〝明賀〟印煉瓦に押された三角錐の記号は岸和田煉瓦の×印の押し損ないとみられ、該印が岸和田煉瓦内で使用されていた識別印である可能性が高くなった。となると本カテゴリの印も岸和田煉瓦で一時期使用されていた識別印のセットであったかも知れない。深山第一砲台では両印を押した煉瓦は未検出だが。
岸和田煉瓦の識別印としてはカナ印パターン、記号パターン、棒線の組み合わせパターンなど複数がある。時期によってセットが異なっていたものと思われる。