英数字刻印 未分類

英数字のみを打刻した煉瓦は関西地方では珍しく、現時点では堺市吾妻橋通で採取された異形煉瓦の大型刻印と砲兵工廠荷揚門下で検出されたもの、和歌山県湯浅町・由良町で検出したものの3パターンしかない。堺市のものは施工位置を示すもの?、荷揚門下検出品と和歌山県下印は識別印として押されたものと推測されるが、絶対数が少ないこともあり使用社特定には程遠い状況である。

(荷揚門下検出品の英数字刻印は福岡県九大キャンパスや愛知県愛岐トンネル群周辺で類似例があるようである)

和歌山県由良町の民家壁に使われている英数字刻印は大阪市住友銅吹所跡から出土した数字印に似ている(筆者記憶が正しければ撞球場として建造された小屋の基礎ではなかったか)。この印とともにA~Kの英字刻印や兵庫県印南郡の伊藤窯業「イ」播煉「ヲ」なども見つかっており、大正期に印南郡辺から運ばれてきた煉瓦が優勢に使われていたことがわかる。いっぽう由良町民家壁でも「H」に類似した印が共使いされており、これとほぼ同型の煉瓦刻印が加古川市宝殿駅前で検出されている。種々状況に推測を重ねれば、一連の英数字刻印・英字刻印煉瓦は印南郡産と考えてよいかも知れない。ただし現時点では印南郡内で英数字刻印は見つかっていない。


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