生野 小口印
兵庫県朝来市生野町の市域では小口に打刻された煉瓦をよく見る。例えば県道39号旧道・旧栃原隧道の東口、生野町口銀谷3の倉庫など。刻印の種類は多岐に渡り、アルファベットのB、ひょうたん型ともメガネ型とも言い得る形状---天才バカボンのおまわりさんの目の形---、膨らんだ□、陰刻○を五分割した形などを検出している。口銀谷の倉庫は昭和30年代に廃止された鉱山軌道に張り出す形で建設されており、それ以降に製造された煉瓦と考えられる。栃山隧道東口も一度崩落したのを修復した形跡があり、隧道の竣工年以降に追加されたものと思われる。該当会社は不明。
なお明治初年台の生野銀山の開発の際に使用された煉瓦は堺市の官営工場製であったようである(堺市史類纂 工業門 大阪毎日新聞堺周報(明治34.11.10)抜粋)。