大阪毎日新聞 M30.1.24 4面/大阪煉瓦(初代)の火災

創業時には大阪煉化石を名乗っていた会社。この火事が原因で廃業したか。新聞にはこの後に総会報告広告が出ている。

●大阪煉瓦株式会社の出火
西成郡川南村大字炭屋にある同社は終宵夜業中昨日午前二時頃火夫が不注意にも煉瓦石焼窯へ過度の石炭を投入せし為め火力非常に強大となり窯の空気抜の蓋終に破裂しそれと同時に炎々たる火焔は工場の天井を焼抜きて見る見る内に一面の火となり折しも西北の強風無遠慮にも之を煽り立たりしかば何かは堪らん同社敷地惣坪数三千五百二十五坪に対する四百二十五坪の惣建物を物の見事に焼尽して悉く烏有に帰せしめ尚余火施て近隣三戸を全焼し半焼一戸に至って四時三十分頃鎮火せしが同社の損害見積高四千百余円に及べりという其他此火災の為め大方ならぬ迷惑を蒙りしは同社に近接せる千島避病院にて目下百名に近き天然痘患者を抱えし事といい(略)幸いに同院は類焼を免るるのみならず患者を立退しむるに至らずして止みたりとぞ

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