関西煉瓦特有のプレス成形痕(ライナー痕と凹み)がある。壁に使われている煉瓦の大半が関西煉瓦製の模様。そのなかに手成形煉瓦も混じっており堺附洲煉瓦のものと推定している「ツキス」印が確認された。堺附洲煉瓦はM22~30頃操業で関西煉瓦の操業期間とよく重なる。堺附洲煉瓦=ツキス説の補強材料となる検出といえる。
この時期高石市までは鉄道は到達していなかった(高石駅開業:M34)。道路陸送が可能な距離にある堺附洲煉瓦はともかく、兵庫舞子の関西煉瓦が(おそらく船運で)ここまで到達していたというのは興味深い。