明治44年 煉瓦供給同盟(大日本窯業協会雑誌記事)

●煉瓦供給同盟

大阪窯業他五煉瓦会社の各代表者は去三日午前九時より堺市堺煉瓦会社に集りトラストに付協議せしが第一項の製品寸法を一定し大口の注文には六社の各前年度の生産率に応じて供給すること及び第三項の生産過剰の場合には此前年度の生産額に応じ一定の操業短縮をなすことの二件は大体に於て異存なきも第二項の個々の注文は価格を千枚に付十一円を最低とし割引をせず単独の供給を許すことに就ては各社の売値区々にして若し最低を十一円とするも之が評定値段となりて遂に其れ以上には売れざるに至るべしとの論出て他に適案を審議するに決し又違約の際の制裁料として一万円を出金することも異論起りて纏らず次に協定区域なる阪神和歌山以外の供給品に付ては之れが価格を定むるを各社の自由に任ずるの件も地方よりの注文にして若し大口ならば亦連合供給の要ある故予しめ価格に或程度の協定をなす要ありとなし尚大阪窯業は地方の顧客に対し再考するの要ありとて日を更めて再び協定することとなりて二時過散会したるが大体に於ては各社とも異議なきも但だ岸和田会社の如きは多少悦ばざる色あれば纏るにしても尚多少の議論あるを免れざるべしと。

『大日本窯業協会雑誌』No.226 M44.6. pp.443-444

明治末不況を乗り切るためのトラストに関する記事。しかしこの秋に組合は解散する。この記事もよく見ると煉瓦製造業組合とは書いてないな…

https://bdb.kyudou.org/?p=13983

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