(明石窯業(株)→)明石陶管(株)
明石郡魚住村中尾1058に大正6年4月に創業。当初は明石窯業(株)を名乗り赤煉瓦を専門に製造していたようだが、昭和8年に明石陶管(株)と社名を変更してからは耐火煉瓦も製造した(『工場通覧』の記載では。会社名から察するに陶管も製造したものと思われる)。各種資料では昭和12年頃まで操業が確認できる。現在工場敷地はゴム製品の製造を行なうシバタ工業(株)が使用。
敷地西側の溝川は焼損煉瓦を使った煉瓦積みで、シバタ工業(株)の南東角にも焼損煉瓦や陶管などを搗き込んだ練積壁が残る。また周辺在所には様々な煉瓦転石が見られる。その中に「AT」という刻印のある煉瓦があった。これが恐らく明石陶管時代に使用されていた煉瓦刻印だろう。同じものが隣村江井ヶ島でも見られた。ただし絶対数は少なく、使用されていた期間はごく短いものと思われる(上述溝の焼損煉瓦には刻印はなかった)。