安威川河原(太田川橋梁の下流)で採取した肉厚撥型異形煉瓦(写真上)。刻印の形状指示印”へ”と共使いになっていたもので、東海道線建設時に準規格化されていた9ft円形井筒用の撥型煉瓦(写真下:石ヶ瀬川橋梁で採取した斜井桁+三線 ”イー”)と比較すると全く同じ形状であることがわかる。
太田川橋梁の下流では扇形(大)の”ホ”、扇形(小)の”へ”、撥型(大)の”ト”が検出されている。該煉瓦には刻印がないが、4つ目の規格として該煉瓦撥型(小)があったのか(12ft円形井筒を採用した初代桂川橋梁井筒では扇形A、扇形B、撥型D、扇形Eの4種類が使用されていた)、それとも東海道線工事の残余を転用したものか。もし規格として撥型(小)が採用されていたのであれば該煉瓦と同じ平面形状で薄厚のものが検出されるはずだが、明らかにそれとわかるものは見つけられなかった。