残存蔵の最左翼笠石下。左の煉瓦に組印と思しき□、右に”エ”と長音記号らしき記号。
六華苑で歴史ボランティアの方に伺ったところ、諸戸家がこの場所に蔵を建てたのは明治19~20年頃、その後明治29~30頃に焼失し煉瓦造で建て直したのが現存蔵という。諸戸家住宅は周辺を取り囲むように煉瓦壁が築かれていて、煉瓦蔵もその一部を構成する格好になっている。この壁や敷地南西隅の水路吐口?にも同様の刻印あり。いずれの煉瓦も厚70mmを超える山陽新型類似形。
煉瓦蔵の壁に使われている煉瓦はほぼ全てが撥形異形煉瓦のようである。下から見上げると煉瓦の小口面が丸く仕上げられていることがわかる。